東京都練馬区・M様邸(2021年1月27日設置)の事例

これで納得!階段リフトの機能とすごい技術
【はじめに、ちょっとご挨拶】

こんにちは、ホームエスカレーター&センシング株式会社の営業担当者です。

2020年10月から会社オペレーションがスタートし、創立日から数えますと、もうすぐ一年が経とうとしています。

山あり谷ありの毎日でしたが、今では何とか形になりAccess BDD社の日本総代理店として充実したサービスを提供できる体制が整ったと感じます。

さて、ご存じの方もいらっしゃるかと思いますが、日本より人口が少なく、また高齢化率も下回る欧州各国では、日本の約10倍規模の階段リフト市場があります。何故欧州はそんなに多いのか?よく文化の違いや考え方の違いと言われますが、今後、高齢化にますます拍車がかかる日本社会の中で、我々の階段リフトがどうお役に立てていけるのか?どう関わっていけるのか?

まだまだお元気な方でも、近い将来に備えて関心をもっていただく為にはどうすればいいのか?様々な方面から情報発信をしていくことが大きな課題ですが、今後、このコーナーでは、階段リフトに関心を持っていただけるように、設置事例やちょっと専門的なことも交えながら【階段リフトをとりまく話】を紹介していきますので、是非お付き合い下さい。

それから会社名は長いので、Home Escalator & Sensing Co., Ltd.の頭文字を取って、“HES”と呼んで下さい。

一般には階段昇降機という名称で知られている設備ですが、HESでは、より身近に感じていただく為、“階段リフト”と命名しています。

一緒に覚えていただけると有難いです。

【内回りレールって?】

それでは本題に入ります。今回は、ある設置事例を基にレールの設置方向についてお話したいと思います。

お客様宅の階段は、典型的なコの字階段でした。途中に3段折れ曲がり+踊り場があるコの字階段で、レールは右側の“内回り”設置です。

恐らく業界用語なのでしょうが、曲がり階段で内側の壁に沿って設計されたレールは内回り、外側が外回りと、何となく想像していただけると思います。

中には、途中までは内回り、その後、外側に曲がってる階段などがありますが、これはS字カーブなんて呼んだりします。

コの字の折り返しは上から見ると180度カーブになるので、これを均等に6分割すると1段辺りの段鼻の角度は30度となってかなりの急勾配になります。

ですから、最近は福祉住環境の観点から、平らな踊り場を設けたり、吹き寄せ階段のように60度の段鼻角度を2箇所設けるなど、安全性を高める工夫がなされています。古いお宅の階段では折り返しで8段割れの場合もありますが、かなりの急角度になります。

我々は既存の階段に設置するのがほとんどですので、このような急な階段に遭遇することも珍しくはありませんが、HESの階段リフトは、傾斜のきつい階段でも設置できることが強みの一つです。

今回の内回りレールの最大傾斜は47.9度で標準的な角度でしたが、最大70度のレール設計が可能ですので、さきほどの8段割れの階段でも内回り設計ができてしまいます。

70度といってもピンと来ないかもしれませんが、下から見るとほぼ垂直です。

同じ階段の間取りでは、内回りの方が外回りよりもレール角度がきつくなりますので、階段昇降機によっては外回り設計のみ対応可ということもあるようですHESはどちらでも対応できますので、安心して下さい。

 

また、内回りレールのメリットとして、リフトを使わない方が傾斜の緩い外側を使えることと、外回りに比べてレールが短い = 移動時間が短かくて済むということがあります。

実際、今回の設置事例ではレール長は4160mmでしたが、外回りにした場合には約1.75倍の長さになっていました。

レールはある一定の長さ以上になると1m毎に延長レールが適用されますので、価格にも反映されてきます。

間取りによっては、外回りレールが適している場合もあり、一概に内回りがいいということではありませんが、内回り外回りどちらでもご提案できることがお客様に納得していただける一つの要素だと考えます。

【HES階段リフトのすごい技術】

階段が狭いと設置できないんじゃないの?と言われることがあります。

確かに、日本家屋では標準的な間取りで750~800mm未満が多いですから、椅子の向きによっては足置きが反対側の壁にぶつかってしまうということがあります。

ではどうやって階段リフトが2階、3階まで行くことができるのでしょうか?それは、ASLという機能が働いてぶつからないように自動で椅子の向きを変えてくれるからです。

向きを変えると言ってもハンドルのようなもので向きを変える訳ではなく、本体に予めプログラム設定しておくので、乗っている方は操作スティックを右か左かに倒すだけです。簡単ですね。

下の写真を見て頂くと椅子が下方向を向いているのが分かりますか?階段リフトは実際には動いている状態で、少しずつ椅子の向きを変えながらスーッと通り抜けていくのです。

動きながら椅子の向きを変えることができて、おまけに座面は常に水平を保ってくれる機能。これは世界最高の技術でしかも世界特許技術なのです。

元々、欧州で開発された技術が日本の階段で威力を発揮しているというのも興味深いことだと思います。

実際に見てみたい、体験してみたいという方は、是非ご連絡下さい。移動可能なデモ機がありますので、お客様宅までお持ちできますよ。

 

因みに、日本家屋の階段や廊下、トイレなどの幅が約750~780mmになっているのは尺貫法に基づいていることはご存じだったでしょうか?

尺に基づいているから尺モジュールと呼ばれ、建築基準法でも階段幅は750cm以上の規定になっています。

尺貫法では階段や廊下の幅の芯-芯距離を3尺(約910mm)とするのが標準で、日本古来の在来工法では、両側に105mmの角柱、12.5mmの石膏ボードが使われている場合、内法寸法は750~780mmになるんですね。

ちょっと専門的に見てみると、910mm - (105mm ÷ 2 + 12.5mm)×2 で780mmという計算になります。

なるほど。耳にすることが少なくなった古来の尺貫法ですが、まだまだ我々の生活の中に息づいているんです。

最近ではメーターモジュールと言って1m基準で設計される住宅もあり、870mm位の広い階段もありますが、伝統的な尺モジュールが相当数を占めているようです。

このお話は、屋内で車いすを利用している方にとって尺貫法は優しくないとか、お家の中の段差が高齢者の不慮の事故の引き起こしている、などのお話に続いていくのですが、長―くなってしまうのでまたいつかテーマを変えてお話します。

【設置をご検討の方へのご参考】

先程のASL機能でご紹介しましたが、移動しながら椅子の向きを変えられるということは、本体が停止した状態でも向きは変えられます。

スティックを倒し続けた状態で、自動で旋回してくれるのでストレスがありません。

標準的なレール設計では、乗降りする位置(停止位置)は1階と2階のレールの先端部になります。

乗降りする時の椅子の向きは特に上階でどうするかが重要で、安全に乗降りしていただく為には、レールを伸ばしたり、曲げたりして階段から離れた位置を設けるか、椅子を上方向に旋回させることが必要です。

今回の設置例では階段幅は標準的な770mmで、2階のレール乗り上げは段鼻から200mmの長さでした。

階段上では壁にぶつからないように椅子は下向きの状態で上ってきていますので2階の停止位置に到着後に、椅子を上方向に旋回させる必要があります。


今回のプログラム設定では、椅子は上階側に90度旋回させ、完全に上方向を向いて乗降りしていただきました。

椅子の向きは5度刻みで設定が行えます。

また、椅子から降りた後は、座面を折りたたんでいただき、椅子の向きをレールを平行に戻しておくことで、スッキリ収納することができます。

 

停止位置での椅子の向きの検討は、レール設置方向も含めて、お客様宅を訪問した際に生活動線をお聞きしながら進めていきます。

しかしながら、停止位置付近に扉の開閉があったり、2階停止位置のスペースが確保できないなど、間取りによっては全てのご希望に添えない場合もあるのですが、その中で安全にご使用いただくことを最優先し、ベストなご提案をしておりますので、なんでもご相談していただければと思います。

因みに、足置きはフットレストと呼ばれ、移動中に足がぶらぶらしないように乗せておく台のようなものです。

階段幅に合わせて、標準タイプ(旋回幅820mm±20mm)とスモールタイプ(旋回幅720mm±20mm)が選べます。

日本の家屋で階段幅が1m以上もあることは稀ですので、ほとんどの場合、スモールタイプになっていますが、問題なく機能できます。

【1階のレール設計】

今回の設置では、1階のレールがなるべく廊下に突き出さないようにレールの出幅を最小限に抑えました。

垂直に落ちているのでバーチカル加工と呼ばれ、HES階段リフトの特長の一つでもありますし、採用頻度の高いレール設計です。

一般的な階段昇降機では、レールは斜めに落ちて来るタイプもありますが、着地点がもっと廊下側になってしまいますので、通行の妨げになってしまいます。

廊下はリフトを使う方も使わない方も共有される場所ですので、なるべくレール出幅を抑えたいですね。

停止位置での座面の向きは、2階と同様に本体プログラミングで自由に設定ができます。

座面は斜めの方向にも向けることができますが、こちらのお宅では、実際に乗っていただいてから、レールに対して下側に90度の方向に設定しました。

レールはバーチカルでも、本体と椅子が廊下に停止したままですと、人が通れないほど廊下を塞いでしまいます。

階段リフトのレールは、直線部分であれば充電ポイントが設置できるので、数段上がったところにパーキングポイントを設置して駐機させておくことができます。これで廊下の通行も問題ないですね。

 

上の写真を見ていただけますか?5段目位から撮影した写真なのですが、左側の壁に何かついているのが分かりますか?そうです、かごなんです。

リモコンは、欧州メーカーの設計だからという訳ではありませんが、テレビのリモコンよりずっと大きいです。若干重いです。

壁に固定することもできますが、一旦固定してしまうと簡単に取り外すことが難しく、電池交換も少しやりずらいので、できればフリーの状態にしておくのが望ましいです。

この為、HESでは市販のかごを用意し、ご希望されるお客様には無償でかごの取付を行っています。

リモコンは落下させると内部の基盤が破損して使えなくなってしまう為、高額な出費を強いられるかも知れません。

リモコンにも、お客様にもやさしいかごのサービスはHES社長のアイディアです。

 

【さいごに】
皆様、以上、長々とお付き合いいただきましてありがとうございました。

初回ということで聊か気合が入ってしまい、長―い文章になってしまいましたが、まだまだお伝えしたいことはたくさんあります。

この“とりまく話”でHESに関心を持っていただき、少しでも階段リフトの普及につなげられれば嬉しく思います。